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【映画】 「美女とキモノ。または、映画におけるキモノ美女の研究」、もしくは、自己完結燃焼継続ツールとしての映画について。

2010.09.23 Thursday

以前、このブログで「え? 日本映画を見ないで、キモノを着るつもり?! え、なんでなんで??」という文章を書きましたが(その経緯についてはこちらをご覧ください笑)、別に映画を見ずにキモノを着たって、全然いいと思います(笑)。でも、映画を見てキモノを着ると、自分のなかでイマジネーションがもの凄い加速度でふくらんでゆくのを感じて、ホントに楽しいのですよ。

昨日、「自分が自分で自分を楽しむ方法」について書きましたが、キモノってある意味、「自分が自分で自分を楽しむための方法」の典型ですよね。語弊を恐れずに言えば、「自己完結」の世界ですよね。誰にも頼まれてないのに、今の生活には便利とは言いがたいキモノをわざわざ着て、ハッキリ言って周囲にはあまり理解されず、「なんか、和風!って感じっスねー!」的な微妙なコメントをされ、そしてお金と手間は確実にとられてゆく……にも関わらず、本人はキモノを見たり触ったり着たり想像したりするだけで、楽しくてワクワクしてしょうがないんですから〜。要するに、「イマジネーション」の世界に殉じるほどのパワーを持っているというわけで、まずは自己完結こそ、パワフルな人間の証(あかし)ですよ!(?)


…と、このように自己完結はとても楽しくパワフルなものではあるのですが、ところが人間って我儘なので、自己完結をずーっとやってると、それはそれで飽きてくるんですよね(笑)。自己完結に勢いやパワーが無くなってくるのですよ…。というわけで、「自己完結も素晴らしいけど、でも、あの人やこの人やあちらの方々になんらかの影響を及ぼすことも可能なんじゃない?」っていう趣旨で(たぶん…)拙書『色っぽいキモノ』を書いたりもしましたが、でも逆説的なようですけど、あの人やこの人になんらかの影響を及ぼすためには、自己完結できるほどのパワーを内臓していることが前提だったりもするのです。

つまり、「自己完結」と「自己外部への働きかけ」とそのどちらも大切で、その両端を行ったり来たりすることが、正しいエネルギーの使い方…というか、生きていて楽しいエネルギーの使い方なのではないかな、と。いつも思うのですが。

で、それには大前提として、「自己完結への火」が消えないよう、絶え間なく燃やし続ける努力(というか単なる習慣)が必要になりますが、そのためには、キモノに関して言えば、映画ほどベンリでリーズナブルでゴージャスな自己完結燃焼継続ツールはない! と思うんです。映画って、あのひとつの世界を完成させるために、膨大なお金と、膨大な人の知恵と、膨大な人の努力が注がれているのにも関わらず、250円くらいでDVDを借りて見ることができるのですから、あまりのありがたさにいつもDVDに手を合わせてますよね…ホント。


と、前置き?が長くなりました。そんな前置きに続けたいのが、着物や和小物などのブランドでありセレクトショップ「WAGU」さんでの連載コラム、「美女とキモノ。または、映画におけるキモノ美女の研究」。毎月、1日と15日に更新しております。

今までのラインナップのリンクを以下に貼ってみました。人気イラストレーターコダカナナホさんによるイラストも毎回とってもステキだと評判なので、ぜひご覧くださいね! (ちなみに、作品セレクトは、新作と旧作とをなるべくまぜるように、そしてなるべくDVDなどをレンタルできるようなものを選んでます)


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■No.16 :『自由戀愛
岩井志麻子の小説『自由恋愛』を原田眞人監督がダイナミックに作り変えた恋愛映画。もともとwowwowのドラマを劇場公開したもので実はあまり知られていませんが、無表情のトヨエツをめぐって長谷川京子と木村佳乃がとっくみ合いの喧嘩をしたり、大正時代の着物や洋館も美しく、とても面白い映画でした!

■No.15 :『カポネ大いに泣く
・鈴木清順監督の1985年作品。ハッキリ言ってよくわからない怪作ですが(笑)、ショーケン、ジュリー、田中裕子と芸達者な豪華メンバーだけで楽しい作品。特に、芸者役の田中裕子の色っぽさは、絶品!

■No.14 :『大奥
・ドラマ『大奥』のスピンアウトで、江戸時代に実際にあった「絵島生島」事件を素材にした映画。江戸城奥女中の絵島に仲間由紀恵、歌舞伎役者の生島に西島秀俊。大奥で仲間由紀恵をイジメる高島礼子のセクシー熟女っぷりが見どころ!

■No.13 :『女は二度生まれる
川島雄三監督&若尾文子主演の、大傑作。神楽坂の枕芸者→赤坂のホステス→二号さん→また芸者…と流れてゆく、ふしだらでカワイイ小悪魔、若尾文子! あまりにキモノ姿がカワイイので、拙書『色っぽいキモノ』でもさんざん言及しました〜〜

■No.12 :『ヴィヨンの妻
太宰治の『ヴィヨンの妻』ほか、太宰のほかの作品もないまぜした映画。太宰をモデルとした作家に、浅野忠信。その妻に、松たか子。浅野忠信と心中未遂する女に、広末涼子。キモノは銘仙が多し

■No.11 :『浮草
・小津安二郎が唯一「大映」で撮った映画なだけに、小津なのに濃厚な、珍しい作品。娘の縁談話も出てきませんのでご安心を(笑)。若尾文子や京マチ子の浴衣の着こなしは、要チェック。ジミなタイトルですが、とてもスリリングな面白い映画。

■No.10 :『さくらん
安野モヨ子のマンガ『さくらん』の映画化で、フォトグラファーの蜷川実花が監督。とにかく映像がキレイ! ストーリーも面白い! 木村佳乃がここでも土屋アンナととっくみ合いの喧嘩をしてました(笑)。
 ⇒⇒「【映画】 WAGUコラム 映画『さくらん』について 〜「可哀想に」なんて言われたくない貴女のための物語

■No. 9 :『流れる
幸田文の小説『流れる』を、成瀬巳喜男監督が映画化。柳橋の芸者置屋を舞台にした、しみじみといい映画です。大女優・杉村春子、大大女優・山田五十鈴、大大大女優・栗島すみ子の、「これぞ芸」というべき大演技合戦が見どころ。あ、あと仲谷昇がすっごい二枚目です。

■No. 8 :『山のあなた 徳市の恋
SMAPの草なぎ君が盲目のあんまさんを演じる、切ないラブストーリー。戦前の映画『按摩と女』(清水宏監督)のリメイクで、オリジナルをそのまま細部まで再現したとか。にしても草なぎ君、演技うますぎ!!!

■No. 7 :『初春狸御殿
・キラキラした和製ミュージカル・ファンタジー。お姫様の若尾文子が踊りまくるのが可愛すぎて倒れそうになります。王子役の市川雷蔵もステキ。後に、鈴木清順がチャン・ツィイーとオダジョーでリメイク。

■No. 6 :『細雪
谷崎潤一郎の小説『細雪』を、市川コンが映画化。大阪船場のお金持ち四姉妹の、キモノとっかえひっかえライフ! 何度も映画化されてますが、やはり岸恵子と佐久間良子が出てくるだけで画面がセクシーになるので、この市川コンver.が好き。

■No. 5 :『雪之丞変化
三上於菟吉の小説『雪之丞変化』を映画化した、市川コン監督作品。長谷川一夫が美形の女形役者なのですが、ほとんど太った女装のおっさん。なのに若尾文子ふんするお姫様やら、山本富士子ふんする美人泥棒などにモテモテなのが少々笑えます。

■No. 4 :『春の雪
三島由紀夫の小説『春の雪』の映画化で、行定勲が監督。とにかく美しい映画で、撮影が李屏賓(リー・ピンビン)と知って納得。岸田今日子、大楠道代、若尾文子などの往年の女優たち(なぜかすべて大映系)の貫禄にウットリ。

■No. 3 :『外科室
・歌舞伎役者の坂東玉三郎が始めて映画監督をつとめた、泉鏡花の小説『外科室』の映画化。当時47歳の吉永サユリと29歳の加藤雅也の、ロマンティックな視線の交差が美しい! キモノも美しい!! ロケ地は小石川植物園。
  ⇒⇒「【雑記】 前髪の話と、47歳のサユリの美を堪能する『外科室』の話。

■No. 2 :『舞妓Haaaan!!!
・宮藤官九郎の脚本、阿部サダヲが主演のコメディ映画。舞妓マニアのサラリーマン・サダヲが繰り広げる珍騒動に、爆笑。舞妓さんのキモノも叫びたいほど可愛い。ちなみに、ロケ地には金沢のひがし茶屋街がつかわれてましたー。

■No. 1 :『黒い十人の女
・市川コン監督によるフィルム・ノワールな一品。岸恵子、山本富士子、中村玉緒、岸田今日子など、ヒトクセある女優たちが勢ぞろい。山本富士子のキモノにピストル!なシーンは必見です。

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というわけですが、キモノという視点から見る日本映画(昔のも新しいのも)、オススメです〜。イマジネーションがものスゴい加速度でスゴい音をたててふくらんでいく快感を、ぜひ♪

(ちなみに、トップに上げたキモノにピストル!な画像は、『日本女侠伝 侠客芸者』の藤純子(→寺島純子→富司純子(すみこ))です!もう大好き〜〜。この映画も最高です。泣けます。)



 
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