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【日舞】 先月、「小唄in神楽坂」で踊りました記。  〜もしくは、「ものまね」と「野望」、「技術」と「個性」について。

2009.11.30 Monday

今さら……なのですが、引越しバタバタで全然書けなかった、10月末に出演した「小唄in神楽坂」について、少しだけレポートしたいと思います。

主催は、小唄扇流師範の扇和やすさん(日本文化に関する文筆家・宮澤やすみさんとしても活躍されています)。毎年おこなわれているイベントで、私が踊りで「小唄in神楽坂」に参加させていただくのは、今年で4年目。

今年は初めて、「井嶋ナギ」ではなく、名取名「花柳なぎ嘉乃」で出演しました(→参『花柳流名取試験を受験しましたの記。』『名取試験を受験したときのキモノについて。』)。



当日の着物は、去年と同じく、祖母が娘時代に着ていた加賀友禅の中振袖と、丸帯を袋帯に仕立てなおしたものを着用。扇子は、名取試験のときに買った、銀もみを使用。髪の毛は、今回は、着物スタイリストの如月まみさんに教えていただいた、銀座のおねえさんご用達「ロサ美容室」に行ってみました! 30分もかからずに素晴らしい形に結ってもらえて、大満足♪





↑ 一応コレは、扇を鏡に見立てて髪のほつれを直す仕草の振り、です……聞き耳をたてているわけではありません……(上手な人だと、ちょっとした振りからも仕草の意味を感じさせるものなのですが!)



「小唄in神楽坂」の準備の様子や当日の緊張については、去年かなり詳しく書いたのではしょりますが(→参『「小唄in神楽坂」で踊りました記2 〜本番編。』『「小唄in神楽坂」で踊りました記1 〜振り付け編。』)、今年も4曲、自分で振り付けをしました……といっても、今まで師匠が教えてくださった様々な踊りのフリを参考にしたり、毎回チマチマと録画している「芸能花舞台」の映像を参考にしたり、毎月購入している雑誌「日本舞踊」の振り帳を参考にしたり。ええ、基本、「ひとまね」、です! 



でもこのひとまね、っていうのが、とてつもなく難しいんですよね……。玉三郎さんの映像を見てパクろうったって、玉三郎さんのまねができますか? ってことですから。私もお稽古で毎回、師匠の振りをガン見しつつまねしてますが、まるで別の振りです(泣)。

今の世の中、「個性」や「オリジナリティ」の重要性が言われていて、それはもちろんそのとおり間違いない、のですが、その「個性」や「オリジナリティ」を発揮する前提には、かなりの勉強や努力の結果習得した「技術」が必要、という事実についてはあまり言われていないような気がするのです。上記の踊りの例で言えば、玉三郎さんや師匠の踊りの「ものまね」をあるていど(完璧にとは言わなくても)できるくらいの「技術」があって、初めて、「個性」や「オリジナリティ」を発揮できるようになるのですよね。

そうそう、twitterでも書いたりしましたが、「R25」のインタビューで、作曲家の久石譲氏がこんなことを言ってました。

基本的に感性は信用しない。(中略)音楽っていうのは96%まで技術です。やりたいものがあってもそれをかたちにするには徹底した技術力が必要


本当は、こういうことは、around25ではなく、小学1年生くらいの子どもに言ってあげないといけないと思うんです。だって、そんなこと大人になってから言われたって、「もう遅いよ……」って場合もあるでしょうから。

でも、子どものときからかなり時間を費やしても、ダメなものはダメ、というのもまた真理で。私などは幼稚園から高校生くらいまでずっとピアノを習っていて、そこそこ練習してそこそこ弾けてましたけど、今ではもうお話にならないですし、もちろん今後も音楽でうんぬん! という気もないです。それよりも、ホントにピアノやりたくて今からでもどうにかしたい! っていう熱意のある人が今から始めたほうが、よっぽどスキルが身につくし上達するはず。

とにかく、大事なことは、何かをやるには勉強と努力による、あるていどのレベルの知識や技術が必要、ということだと思うのです。そしてその一方で、「いつか私ならではのオリジナリティを表現してみたい」という「野望」を密かに抱く、ということが大事なのではないかと、と。でないと、それはそれで、単に「お手本をうまくこなせるが偉い!!」という、つまんないくせに意外と傲慢、っていうズレた優等生になっちゃう。そう、その反動で、個性とかオリジナリティとか言われてる気がするのですよね〜、知識や技術ばかり磨く優等生はダメ、みたいな。

でも、本当にスゴイ人っていうのは、高いレベルの「知識」や「技術」を習得しながら「オリジナリティ」も持っているし、高いレベルの「ものまね」をこなしながらも「野望」をもっているものですよね。優等生でありながら、異端者、みたいな。その両方をもっているのが、一番望ましい状態だと、いつも思うのですが。

そんなわけで、野望をうちに秘めつつ、ものまね、おおいに頑張ろう! そう思うのでした。




なんて、話はそれましたが!

えーと、そんなわけで、宮澤やすみ(扇和やす)さんの弾く三味線と唄に合わせて、4曲踊りました。踊った曲は、『上手(うわて)より』『好きな人』『移り香』『春風さんや』。そのほかに、やすみさん一人で、さらにはお弟子さんと一緒に、さまざまな小唄をたっぷり披露。





↑ 扇和やすさん(宮澤やすみ)さん。一見マジメそうなのに、肩の力の抜けたトボけたトークをする方で、今回のイベントでもお客様を「え、ここ、笑っていいのか?!」な感じで戸惑わせていました(笑)。




↑ 扇和やすさん(宮澤やすみ)さんと、和やすさんのお弟子さん(美人)。彼女は小唄を習い始めて半年?くらいなのに、三味線をサラサラ弾いてらっしゃってスゴい。ちゃんと練習されてるんだろうなぁ〜。



小唄は、芸者さんがお座敷で旦那衆相手にしっとりつま弾いたものなので、色っぽくて情緒たっぷり。そんな色っぽい小唄の世界をぶち壊さないよう踊れたか、ちょっぴり心配ではありましたが……。いらっしゃってくださった皆さま、本当にありがとうございました!!

それから、日舞の稽古場の弟子仲間であり、TVドラマや舞台で活躍中の美人女優さん岡田明香ちゃんが、今回の「小唄in神楽坂」のレポートを書いてくださいました! →こちら。 &ここに載せた写真のほとんどを撮影してくれました! 明香ちゃん、ありがとう!!!






ところで。「小唄in神楽坂」主催者の宮澤やすみさんは、現在、小唄扇流の師匠として神楽坂でお稽古を開催しているほか、仏像や和菓子に関する文筆家としても活躍中。つい最近、新刊を2冊も出版されました! 




東京仏像さんぽ』(明治書院)

仏像といえば京都とか鎌倉……と思いがちだったけど、都内にもこんなに仏像がいるんだ〜! とちょっと驚き。ちょいと近所に仏像を拝みに行くのもいいですね。著者による本書の紹介は、こちらへ。





仏像にインタビュー』(実業之日本社)

こちらは、やすみさん自筆のマンガがついていて、とにかくすっごく面白い(笑)。笑いながら仏像に詳しくなれちゃいます! 吉祥天が飲み屋のママだったりして……笑える。。本書のマンガの様子は、こちらこちらこちらをご覧ください!




■関連記事。

「小唄in神楽坂」で踊りました記1 〜振り付け編。
「小唄in神楽坂」で踊りました記2 〜本番編。
花柳流名取試験を受験しましたの記。
名取試験を受験したときのキモノについて。
日本舞踊のススメ。 〜「日本人に生まれてきてよかった!」と思うためのささやかな提案について




 
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