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【雑記】 引越しと、蔵書問題。または、自分のルーツを見てしまったような出来事。

2009.11.24 Tuesday

引越し作業にヒッシになっているうちに、1ヶ月も更新をしていませんでした……。(左画像は、去年から引き続きお気に入りの毛皮帽子@club axxcis)

以前は「追われてるの?」と不審がられたほど引越しばかりしていたのですが(最短3ヶ月なんてこともあった)、ここ4年ほどは引越しゼロ。「ついに私も落ち着いた大人になったのかも〜」なんて思いきや、もう我慢の限界! というか、人間って、ある環境に慣れると、自己保存本能のためか、ラクな方で安心したいためか、いろいろなことを「まぁいいか」と思おう思おうとするんですよね。あるはずの問題を、無意識のうちに「ないこと」にするんですよね。つまり、自分が何かに我慢しているということに、自分が何かに不満をもっているということに、全く気がつかないんですよ! 恐ろしいことに。

しかし、ある時フッと気がついたんです。「もうこれ以上、“ここ4年のあいだ自分が発してきたエネルギーの残滓(ざんし)が澱(よど)んでいる環境”には耐えられない!」と。なんて書くと、スピリチュアル系な発言のようでアレですけど、そういう意味ではなくて、つまり、いろいろな意味で、直近の過去の自分がしみついた場所から離れることって、大事だと思うわけです。遠くの過去の自分であれば、今の自分とほとんど関係ないから余裕をもって接することができる。でも直近の過去の自分って、今の自分と地続きなだけに、つい蹴つまずいたり、つい足元をすくわれたり。意外と、今の自分を邪魔する最大の敵は、直近の自分、だったりする。大きく舵をきろうとする時などは、特に。

というわけで、急きょ、引越しを決定。さようなら〜、あの頃の私よ。こんにちは、新しい私! あいかわらず大げさですけど、そのくらいの気もちで決定した引越しだったので、作業に1ヶ月も費やしてしまいました。。



一番タイヘンだったのは、膨大な数にふくれ上がった本です―――。本好きで都内在住の方って、本の収納、どうしてるんでしょう? 私は、結局かなりの数を捨てたり、売ったり(ちなみに、BOOK OFFより、地元の堅実な古本屋のほうがよほど高く買ってくれました)しましたが、それでもあふれる蔵書の大半はしかたがないので千葉の実家に置かせてもらおう、と。さらに言えば、大量のキモノもちょっと置かせてもらおう、と。

そこで、久しぶりに実家に帰ったのです。が。久しぶりに帰った実家では、もう既に、父の蔵書が問題となっていたのでした……。というわけで、父の蔵書問題に、私の蔵書問題をもち込み、さらに可能なら私のキモノ問題ももち込んでしまおう(両親を怒らせないようにして)、という無謀なプロジェクトがスタート! (社会人になったのに親の世話になる娘ですいません。。)

しかし、実家は一軒家とはいえ、問題は改めて根深いものがありました……。何しろ、父親が古い顕微鏡コレクションに凝っていて、顕微鏡専門店で買うだけではあきたらずヤフオクでも落札しまくっているらしく、本の海の波間波間に、顕微鏡の入った巨大な木の箱があちらこちらに見え隠れし、さらに、床の間の飾り棚に置かれた日本人形のガラスケースの中にまで顕微鏡が鎮座、これを見た時はさすがに「ガラスケースの中の日本人形はどこへ消えた?」と聞くのも忘れ、「こんなにたくさんの顕微鏡で何を見るのよ?!」と聞くと、

見るために買ったんじゃない! お父さんは見なくても全部わかってるんだ!!

と一喝されてあ然。

さらに、父が大ファンであるシューベルト(ロマン主義の作曲家)生誕200周年にウィーンでわざわざ買ったらしいシューベルト直筆楽譜の復刻版を、がんじょうな専用の箱(←自作です)から取り出して、「すごいでしょう、研究者垂涎の楽譜だ!」と自慢してきたり、ビニールにガッシリとくるまれたままの岩波の『ギリシア悲劇全集』全14冊が、それらがピッタリ入る専用の棚(←自作です)にズラーーと並んでいるのに遭遇したりした日には、改めて自分の起源のようなもの(ルーツとも言う)を見てしまったような気がして、軽く、めまいがしました……。



そんなアレコレを経ましたが、とりあえず引越し完了! 環境を変えて大正解でした! 心機一転、今後もどうぞよろしくお願いいたします♪




↑i Phoneのカメラって、意外と暗いところでも撮れる。


ちなみに、そんな変わり者の父は、サイエンス書の翻訳などやってます。→こちら。『プリンストン高等研究所物語』は、私が読んでもかなり面白かったです(アインシュタインとノイマンとゲーデルのエピソードが特に)。






 
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