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【着物】 着物とコスプレ。もしくは、「本当の私」からの開放。

2009.10.23 Friday

こないだ、10/24(土)の「小唄in神楽坂」の準備のため、キモノで神楽坂に行ってきました(左はそのとき撮った写真)。神楽坂はともかく、フツーの街だとやっぱりキモノって、ちょいとコスプレ感ありますね。って、今さらですが。



そういえば、私の日本舞踊の師匠である花柳美嘉千代先生によると、私が一番最初にお稽古場に現れたとき、日舞を習いたい理由として「ワタシ、コスプレとか好きなんでー!」とかのたまったんだそうです(あちゃー)。自分では全く覚えていませんが、20代の頃は世間知らず度が凄まじかったうえに自覚もゼロだったので、さもありなん、と思いました。あ、今でも世間知らずですが、きっちりその自覚はあります!(誇らしげ)

あ、えーと、コスプレ、って言っても、念のため書いておきますが、狭い意味(にも色々ありますが)でのコスプレは未体験です、残念ながら。そうではなく広い意味で、結局「何かを身にまとう」ということは、イコール「何かの役割を身にまとう」「何かの意味を身にまとう」、ということなのではないかな、と。そういう意味での、コスプレ。

洋服もそうですよね。ハツラツカジュアル女子としての私、ロマンティック乙女としての私、デキるキャリアウーマンとしての私、リッチでノーブルなマダムとしての私、セクシーダイナマイトとしての私、フィルムノワール的ファムファタルとしての私、などなど、一人の人間にもかなりのバリエーションを持っているものだと思いますが。コレ、全部、コスプレですよね。つまり、ある特定のファッションを身にまとうことによって、自分に「役割」を与え、自分に「意味」を与えている、という意味で。



そうなると、じゃあ「本当の私」って? という疑問も出てくるでしょう。その答えとして、たとえば、ノーメイクで髪ボサボサでユニクロのジャージ上下を着た自分が本当の私か? って言ったら、絶対「NO」。だってこれは、家にいてヤマンバとなり果てている女という役としての、私だもの。これは、あくまでも仮の姿! そういえば先日読んだ茂木健一郎氏の『化粧する脳』 (集英社新書)によると、女性は、化粧した自分の顔は「自分の顔」として認識するくせに、ノーメイクの自分の顔は「他人の顔」として脳が反応するんだそうです(都合よすぎね!)。

じゃあ、裸であることが「本当の私」か? って言ったら、それも「NO」。裸の状態って、基本的にちょっと落ち着かない状態ですよね。裸の自分が本当の自分だなんて思えませんし、ある意味で、思いたくない。裸の状態も、やはり、裸という「役割」「意味」を与えた状態でしかないと思うのです。



いつだって、「本当の私」じゃない気がする。どこまでいっても、「本当の私」になれない。ということは? それはつまり、「本当の私」という状態なんて、ない、ということなんですよ! このことに気づいたのは20代の終わり頃でしたが、本当に、本当に、救われた気がしました。「本当の私」という呪縛からの開放。そう、「本当の私」なんていう状態は、この世には存在しないのです。「本当の私」を探したって無駄なのです。「本当の私探し」なんかするくらいなら、「別の私探し」をすべき! あっちにも、こっちにも、こんなところにも、あーんなところにも、私がいる! って思ったほうがいい。色即是空空即是色。どこにもないということは、どこにもある、ということに通じる(はず)。



そんな私にとって、「私はいろいろな私であっていい」ということを教えてくれるものの一つが、キモノなのです。キモノを着ると、ナチュラルに別人格が登場します。キモノを着ると、それだけで歩き方も、振る舞い方も、表情も、話し方も、ヘタしたら考え方まで、変わる勢いです。私って多重人格だったんだなぁと思えることの、嬉しさ楽しさよ!!!



……って、そんなことで嬉々としちゃう人って、よっぽど強固な自分があってそれにもうウンザリして自分をもてあましちゃったタイプなんでしょうね……(と、他人目線で冷静にコメントしてみました)。



この日のキモノ。



水色のよろけ縞のキモノ(ウール)と、細い縞の名古屋帯で、かなりカジュアルにしました。帯のなかに入れているのは、踊り用の扇とiPhone(白)。




■お知らせ

10/24(土)の「小唄 in 神楽坂」に、今年も踊りで出演することになりました! 文筆家であり小唄師でもある宮澤やすみさんが主催する、毎年恒例の人気イベント。神楽坂散歩がてら、小唄を楽しんでみませんか? ぜひいらしゃっていただけたら嬉しいです! 詳しくはこちらへ。










 
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