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【日舞】 日本舞踊ユニット「和楽」公演 in 「雷(いかづち)」  〜もしくは、膨大な時間を費やしてきたひとの凄さについて。

2009.05.21 Thursday

先日、私の日本舞踊の師匠がメンバーである日本舞踊ユニット「和楽」の公演を見てきました! 場所は、六本木ヒルズ・アリーナ横の、ガラス張りのイベントスペース「umu」。「雷(いかづち)」というイベントで、日本文化をテーマにしたパーティでした。



日本舞踊ユニット「和楽」のメンバー。
左から、水紀さん、姫乃さん、リョウさん。

水紀さんは21歳で花柳流の師範を取得された若手舞踊家さん、姫乃さんはもと新橋芸者さん。リョウさんも花柳流師範で、実は私の日舞の師匠花柳美嘉千代先生です。



パーティには、各方面で活躍している一流の日本文化アーティストたちが集結。

第一番目は、尺八奏者のき乃はちさん。



尺八と、ヴァイオリンと、笛のコラボレーションが、カッコよかった! 武満徹の『ノヴェンバー・ステップス』(尺八と琵琶とオーケストラのための音楽)などでも既に証明されている、和楽器と西洋楽器の調和の妙。いや、調和の妙というよりも、ぶつかり合いの妙、か。悪い意味ではなく、良い意味での。緊張感もまた、人にとっては快楽なのですから。



そして、第二番目が、日本舞踊ユニット「和楽」の踊りと、太鼓奏者石塚由有さんの演奏のコラボレーション。

まず始めに、迫力の太鼓と音楽の、ソロパフォーマンス。



パンクなヘアスタイルと和太鼓が、なぜか凄くピッタリ。そういえば、中学の頃のちょっと不良な先輩たちって、必ず体育祭で応援団長やって和太鼓叩いてたなぁ(笑)。

もちろん、この石塚さんのパフォーマンスはハンパなく凄かったです。太鼓を叩きながらクルッと回ったりポーズ決めたり、「魅せる」んですよ〜! プロフィールを拝見したら、お父様が望月左武郎さんという囃子方さんで、幼少の頃から人間国宝・望月流宗家4代目望月朴清さん(人間国宝・堅田喜三久さんのお兄様)に囃子の手ほどきを受けていたそうですから、囃子のプロフェッショナル。


ちなみに、邦楽囃子(はやし)というのは、「太鼓(たいこ)・大鼓(おおつづみ)・小鼓(こつづみ)・笛」が基本の編成。さらにわかりやすく言うと、能舞台などで、黒紋付に袴をつけた男性がズラリと並び、「ポン!」という小鼓の音がして、「カーン!」っていう大鼓の音が入って、「イヨーッ!」「ハッ!」とか声をかけたりする、アレです。あれはカッコイイですよねー!

話はズレますけれど、私、邦楽囃子って大好きなんです。大学時代に、人間国宝・堅田喜三久(かただきさく)さんの『邦楽囃子大系』5枚組みCDを買い、ひたすら聞いておりました。なので、堅田喜三久さんは雲の上のあこがれの人なのですが、去年、私の日舞の師匠・美嘉千代先生が出演した国立劇場の楽屋で、何度もお見かけするやら、すれ違うやら、密かにひとりで「うわーー喜三久さんだー!!」とドキドキ(笑)。しかも、楽屋でみんなで何枚も写真を撮ったのを家に帰って見てみたら、なんと喜三久さんがうっかり写っちゃってるのを発見! 「キャー」と狂喜してたら、信じられないことに、PC操作ミスでよりによってその写真だけを削除してしまっていたことが後に判明。幻の画像と化しました……ショック。

というそんな私のトホホ話はいいとして。



いよいよ、「和楽」の登場です!!!





般若の面をつけ、紗の掛けをあたまからかぶった、三人の怪しい女たち。



と、クルリと回って面をとると……




美女、現る!!





鈴太鼓の踊り。
鈴太鼓(すずだいこ)は、『京鹿子娘道成寺』でもおなじみの小道具。中に鈴が入っていて、振ると音がします。





扇獅子の踊り。
扇獅子(おうぎじし)は、獅子ものの踊りでよく使われるおなじみの小道具。扇を二枚重ねたものに、牡丹の花と、獅子毛と、鈴と、布がついています。これはつまり「獅子頭」を象徴しています。これを目にしたら、「あ、あれは獅子の頭なのね」と思えば正解です。





ドラマティックな太鼓と音楽に合わせて、裾を引いて舞い踊る、色っぽい後姿。









ラストは、観客席に向かって蜘蛛の糸がパーッと放たれ、大歓声!!!!



ああ。日本舞踊って、楽しい! 踊るのも楽しいですが、見るのも本当に楽しい!!!! 私はちょっと用事があったので、このあとすぐに帰ったのですが、その後も、さまざまな方のパフォーマンスが目白押しだったそうです。



今回の「和楽」の踊りは、古典舞踊をベースにしながらも、誰でも楽しめるエンターテイメントとしての日本舞踊を目指したということでした。でも、こういう現代的な踊りを見せることができるのも、古典を基礎からしっかり学んでいる方々だからなんですよね。当たり前のことを言うようですけど、先ほど書いた和太鼓奏者の石塚由有さんもそうですが、やはり「基礎」の裏づけのある人というのは、新しいことをやっても、深みが違うし、厚みが違う。理屈じゃなくて、もう、空気からビシビシ伝わってくるんですよ! それまで「どれだけ膨大な時間を費やしてきたか」という重みって、想像以上に凄いものだと思うのです。何がどうとは説明できないけれど、圧倒されるものがあるんですよね。


話はちょっとズレますけれど、そう考えると、結局は人って、いつか自分の基本に立ち返るらざるを得なくなるのかもしれません。新しいことやりたい。いろんなことやりたい。アレもコレも試したい。でも、結局、「今まで、自分は何をやってきたんだろう? 何に心をくだいてきたんだろう?」。そう考えざるをえなくなる。なぜなら、「それに関してなら、私には基礎がある」と確信できるから。確信をもてないことをやり続けるのって、実は意外と難しいことなのですよね。。なんてことを言う私ですが、じゃあオマエの「基礎」って何よ? と問われたら……。さて。「読むことと書くこと」と「コレは何?アレは何故?」と「日本文化のフシギについて考えること」だろうか……(苦しい)。

あ、日本舞踊に関しては、数十年後に「私の基礎には踊りもあります」と言える自分を夢見て、20代から始めました。最初から長期戦覚悟で(笑)。そう、「基礎」は今からでもつくれる、のです!! 結果さえ焦らなければ。




おまけ画像1。
和楽のリョウさんよりいただいた画像。

姫カツラ!



おまけ画像2。
和楽のリョウさんよりいただいた画像。

名画『怪描有馬御殿』の入江たか子姫を彷彿させるカンジで、スバラシすぎるショットかと!!



おまけ画像3。

パーティ「いかづち」を主催された方がはいていたスニーカーがとても珍しくて、司会をされているときに思わず撮影。実は今回のパーティを企画された一人でいらっしゃる原宿のファッションブランド「義志(よしゆき)」の商品で、「義志足袋(よしゆきたび)」というものだそうです。通販でも買えるそうです→こちら




■日本舞踊ユニット・「和楽」 × 和太鼓奏者石塚由有さんの公演があります!
 みなさまもぜひ……!

6月7日 19時〜
なだ万 アプローズ 新宿高野店
ステージチャージ無料。

なだ万 アプローズは、老舗料亭「なだ万」チェーンのひとつ。和とイタリアンを融合した料理を楽しみながら、選び抜かれたステージを鑑賞できる、エンターテイメントレストランです。




 
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