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【着物】 踊りの会でのキモノ。性別逆転のエロス。

2009.04.21 Tuesday



春うらららららららららららら〜! なカンジで、すっかり春ボケしつつありますが、暖かくなると何が楽しいって、オシャレが楽しい!!! 季節が変わったとき、いつも何をするかというと、まずとにもかくにもマルキュー(SHIBUYA109ね)に行って、「お洋服メンテナンス」。それから、美容院に行って、「髪の毛メンテナンス」。それから、走ったり踊ったりストレッチしたりして、「身体メンテナンス」。それから、皮膚科に行って、「お肌メンテナンス」。って、女ってタイヘン……。

でも、もっと美に貪欲な女子は、これに、サロンで「爪(手足両方)メンテナンス」とか「まつ毛(エクステ)メンテナンス」とか、エステで「痩身メンテナンス」とか「脱毛メンテナンス」とか、さらにいろいろプラスされてるはずですから。女はタイヘン。お金もかかるし、時間もかかるし、エネルギーもいる。ふー。

そんなタイヘンなことして、一体誰のためにやってるんだよ、って? ……そんなの、「自分のため」に決まってるじゃない! 決して「誰かさんのため」じゃない。たとえ御本人が「誰かさんのため」って思い込んでいたとしても、「その誰かさんに気に入られたい自分のため」「その誰かさんをコントロールできたら嬉しい自分のため」です。徹頭徹尾、自分のため。そう自覚するのが、オトナの基本。でも、徹頭徹尾、自分のために正しくエネルギーを注げば、それはいずれ結局、「他人のため」になっていく。そういうものですよね、何事も。そう思うと、世の中ってうまくできているなぁ、と思う。というか、しょせん人間のすることだし、しょせん地球上のことだし、しょせん太陽系内のことだから。何やったって、誰かのためになったり、何かのためになったり、影響及ぼしちゃったりするんですよね……残念ながら(笑)。だから、「自分のため」というのは、基本として正しいはず。方向さえ間違っていなければ。



というわけで。「私の、私による、私のためのオシャレ」のひとつが、キモノ。最近またキモノを着る機会が増加中! 嬉しいことです。

その一つが、先日参加した踊りの会。花柳小扇さんが主催する小扇会に、私の師匠である花柳美嘉千代先生の門下生一堂、出演させていただきました。



踊りの会というのは、たいてい本番の1週間くらい前に、「下ざらい」と呼ばれるリハーサルがおこなわれます」。実際に舞台に立って、立ち位置を確認したり、音を合わせたりします。

下ざらいの日。海老名市文化会館の楽屋にて。



美嘉千代師匠からお借りしたベージュの色無地に、シルバーの帯。帯締めをヴィヴィッドな草色にして、桜が散って葉が茂りだす春の感じ、をイメージしてみたつもり(ええ、こういうのってほとんど自己満足です)。



本番当日。



下ざらいのときと同じ、師匠からお借りしたベージュの色無地。祖母から貰ったシルバーの帯を、二重太鼓に。帯締めは、紫と銀のちょっと格の高めのものにして、帯揚げも、紫色の縮緬地。

帯の左にさしているのは、踊りのときに使う扇子で、「銀もみ」というもの。



銀紙をくしゃっと揉んだような和紙でつくられているから、銀もみ。今回の舞台のために、浅草の文扇堂で買いました。4500円くらいだったかと思いますが、本銀もみだともうちょっと高いです(6000円くらい?)。でも、銀はどうしても錆びやすくて、地が黒ずんできてしまうそうで。特に、本銀もみのほうが黒ずみやすいらしいので、安いほうにしちゃいました。

文扇堂は、中村勘九郎さんや坂東玉三郎さんなど、歌舞伎役者御用達の扇の店としても有名ですよね。踊りのお稽古につかう扇子は、いつもここで購入してます。「ほぼ日刊イトイ新聞」での文扇堂4代目店主・荒井修さんへのインタビューは、こちら。荒井修さんのブログはこちら



私の尊敬する師匠・花柳美嘉千代先生が踊った、清元の舞踊『玉兎(たまうさぎ)』。



十五夜お月様からウサギが飛び出して、お餅をついたり、カチカチ山を語ってタヌキの真似をしたり。ススキの模様の衣裳も可愛い、楽しい踊りでした! 美嘉千代先生の踊り、大好きです。




今回の舞台で、私は、長唄の舞踊『汐汲』を女優の岡田明香ちゃんと踊り、さらに、常磐津の舞踊『廓八景』を一人で踊りました。『汐汲(しおくみ)』も『廓八景(くるわはっけい)』も、実は、花柳流の名取試験の課題曲でして。ついに今年の夏に名取試験を受けることになったので、猛特訓中の2曲なのです〜〜。

ちなみに言えば、『汐汲』は「女踊り」で、『廓八景』は「男踊り」。女踊りというのは、踊り手が女になりきって踊る踊りで、男踊りというのは、踊り手が男になりきって踊る踊りのこと。日本舞踊は、踊り手の性別に関係なく、女になったり男になったりします。曲によっては、一つの曲のなかで、男になるところもあれば女になるところもある。これって、西洋のダンスからしたら、ちょっと奇妙かもしれませんよね。あ、でも、シェイクスピア劇も、女の役も男によって演じられていたって言いますね。女が男になる、男が女になる、って……、そういう倒錯した状態って、かなり扇情的な状態でもあるわけで。やっぱり演劇とか踊りって、「そういうもの」、つまり「セクシーでエロティックなもの」っていうのが基本ですよねー、やっぱりね。と、しみじみ思うわけです。

だいたい、歌舞伎の始祖とされている出雲お国(いずものおくに)が始めた「かぶき踊り」っていうもの自体が、そもそも「性別逆転」をウリにしていたのでした。茶屋(当時の高級キャバクラとかクラブみたいなもの)を訪れた男客と、その茶屋女(当時のアゲ嬢とかホステスみたいなもの)の、ちょっぴりエロティックな色恋アレコレを舞台で演じたのが「かぶき踊り」の始まり。で、その男客を演じたのは男装した女で、茶屋女を演じたのは女装した男、だったわけです(歌舞伎と宝塚がまざったカンジ?)。そのさまが非常にセクシーでカッコよかったため、もう大流行しちゃうわけですよ(笑)。日本人って、つくづく、いいセンスしてますよね〜。萌えるポイントが、いちいちヒネくれてるっていうか変態っていうか、またそれに対していちいち素直っていうか正直っていうか(笑)。いや、正しいと思いますよ、それ。
 


とはいうものの。性別逆転でセクシーって、難しい。私はやっぱり女なので、女の踊り(内股で女らしくなめらかに踊る)のはわりと抵抗なくできますが、男の踊り(外股で男らしくキリリと勇ましく踊る)のは本当に難しくて……。今の私の男踊りでは、性別逆転でセクシーどころじゃありません。まるで、鶴田浩二に、「さっきは力になってくれて助かった、礼を言う。でもお前さんには、ドスよりお針がお似合いだぜ」なんてことを言われちゃうトホホな女博徒みたいな……(どんな設定だ?)。ああ、私も男踊りを、海老蔵みたいにキリッ&ビシッとカッコよく踊れるようになりたい!!! って、あれは、あの目ヂカラがないと不可能なキリッ&ビシッかもしれませんけど……(何しろ海老蔵の目って、確実に私の目の2倍の面積はあるからなー)。

海老名市文化会館の大ホールは1000人以上入る大きな会場で、そんな中で踊るのはやっぱり緊張しました。「絶対間違うわけないじゃん」ってところで間違えたり、片足で立った足が安定しなくてグラグラしたり、スムーズに扇子が開かなかったり。本番って「思わぬこと」が起こるものですね。でも、そういう緊張もふくめて、舞台で踊るのって楽しい(笑)。改めて、「日本舞踊、一生続ける!!!」という思いを強くしたのでした。



楽屋のようす。



お稽古場でおそろいで仕立てたキモノを、着用。浴衣としてもキモノとしても着られるタイプ。



美人女優2人に囲まれる!!


 
左は、TVドラマや舞台で活躍中の竹中里美ちゃん、右は、あの毛皮族のメンバーでありCMなどでも活躍中の高田郁恵ちゃん。

っていうか私、異常にオデコ広くない?! だ、だいじょぶなのか? 私の生え際……。






人気作家の島本理生さんよりいただいたお花! 感激!!!!



春のキモノエントリー、さらに続きます〜!


 
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