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【着物】 新年早々のキモノ、その2。 『細雪』的な思い出。真珠子ちゃんの刺繍帯。

2009.02.20 Friday

昔々、と言っても7年くらい前ですが、着物のお店で働いておりました。新宿伊勢丹の呉服フロアにある某店で「いらっしゃいませ〜!」とやっていたんですが、ほぼ毎日のように着物で出勤しておりました。目黒から新宿までキモノで通勤してたあの頃、頭の中は着物のことでいっぱいで、「こないだ店で見つけたあのツバメ柄の帯、やっぱ買っておかないとヤバイ!」とか、「映画『それから』で藤谷美和子が松田優作と逢引するあのシーンの着こなしを実現せねばーー!」とか、そんなことばっかり考えてました。まさに熱を上げ過ぎ&入れ揚げ過ぎな日々でしたが、今思えば、その対象が着物でよかった……って気もしなくもないです(笑)。

その頃はまだ20代で余裕しゃくしゃくだったんで、黒とかグレーとか紺とか、超ジミ〜な着物ばかり着ていました。って、今もジミ好みは変わってませんが、でも最近はどこかしら赤を入れたり、光モノを入れたりして、ジミ過ぎて老けちゃわないよう姑息なカンジで工夫しております♪


ちなみに、こんな感じのジミコーディネートをしてました。(6年前の画像)



このコーディネート、自分では「パリ風シック」と思い込んでた記憶が。ちなみに帯は、豆千代さんで買ったもの。まだ月に数日しかオープンしていない頃で、毎月、豆千代さんのお店に行くのが楽しみでした。



それにしても、「販売職」って、大変ですよね。だって6、7時間、ずっと立ちっぱなしですから。最初は足が痛すぎて、「死ぬ…ムリ…」って思いました。でもフシギなことに、人間って慣れる、というか、鍛えられるんですよね。しかも鍛えついでに、7階の呉服フロアまでエレベーターを使わず階段で上り下りすることを自分に課していたので、筋肉と体力がつきまくってしまい、仕事で立ちっぱなしだというのに、仕事後も「遊びに行くわよー!」な感じでクラブ行って踊りまくってました…(と言っても別にチャラい遊びをしてたとかじゃなくて、音の海の中でストイックに体動かしたいっていうほとんど「ジムに泳ぎに行く」扱い)。

そんな着物とのラブラブ蜜月期間を経て、ここ数年はちょっと落ち着いた感があったのですが、去年からまた着物熱がUP中。今度はもうちょっと大人として、冷静に落ち着いて、着物を楽しめそうです(ホントか?)。



先月、毎月恒例の歌舞伎座に、着物で行って参りました。



赤紫色がかった紅梅色の江戸小紋と、銀糸をつかった亀甲模様の袋帯。

私にしては珍しい、ピンク系の着物。自分では絶対に買わない色です。実はこの着物と帯は、去年、祖母(父方の)から譲られたもの。いつもカジュアルテイストな着物ばかり着ているので、たまにはこういう上品テイストもいいかも、と思いまして。これだったら、お茶のお稽古に行っても大丈夫ですよね? あ、でも、お茶のお稽古にはちょっと襟を抜きすぎかー。極妻風プチジュエリーもしちゃったし……(→極妻風プチジュエリーについては、こちらを参照ください)。



ちなみに、上記の着物と帯をくれた祖母は、父方の祖母なのですが、いつも何かと着ているブルーの中振袖(→これについては、こちら)をくれた祖母は、母方の祖母。この祖母は、とにかく昔から着道楽で、蔵にごっそり着物をかかえているような人でした。母方の実家は、石川県のまるで時間が止まったような凄い田舎にある古い古い家で。

その家では何かと行事があり、そのたびに、私の母と、母の妹である叔母さんと、祖母が、着物の入ったタトウ紙や反物を畳の上に広げては、この辻が花がどうだとか、つづれの帯がどうだとか、じゃあ娘たちにはあの振袖をとか、親娘3人で衣装相談をしているのを、ワクワクしながら眺めていたものです。その様子は、千葉の何の変哲もないフツーの新興住宅地で育った私にとってほとんど「異世界」で、それこそまるで『細雪』の一場面(もちろんいろんな意味でまるで比較になりゃしませんけど笑、あくまでも比喩として)のような、キラキラした思い出となって私の中に残っているのです。

なので、今も健在な祖母が、私に会えば「結婚しろ」と言い、私が帰ればうちの母に「結婚させろ」と言い、親戚にまで「結婚しないなんて云々」などなど行けばいろいろ言われるに決まってるのに、あのキラキラした思い出を求めて、のこのこ遊びに行っては「蔵の中の着物見せてー」なんて言って「あっら〜たいそいわぁ…」と厄介がられている、とことん図太い私でした(笑)。
(注:たいそい=石川県弁で「しんどい」「だるい」「疲れる」などの意)



そうそう、この日の歌舞伎座には、イラストレーターのコダカナナホさんと真珠子ちゃんと一緒に行ってきました。二人とも歌舞伎ファンなので、話してて楽しい〜(って、ミーハーな話しかしてないんですけど……海老カッコよすぎるとか、玉様は恋人がいるんだろうかとか笑。よけーなお世話よね)。あ、ちなみに、コダカナナホさんの歌舞伎絵が最高なので、必見です!! 
→ナナホさん描く海老蔵とか勘三郎とか。


で、真珠子ちゃんも着物だったんですけど、彼女の帯が! 自分で絵を描いて刺繍をした帯だったんです! 帯じたいがもう既に、作品。さすが、アーティスト。



真珠子流刺繍家元による作品1(帯のお太鼓部分)




真珠子流刺繍家元による作品2(帯の前部分)


ほかにも、長襦袢にも絵を描いていて、しかも刺繍もする予定とか(→こちらをご参照ください)。昔、竹久夢二が恋人のために反物に絵を描いたものを見たことがありますが、私もこういうのやってみたいな〜。憧れ。

あ、私、長襦袢とか帯に、筆で書を書きたいです! それも、江戸時代の人情本に出てくる、男女間のグダグダ&キワドいやりとりとか、色っぽいフレーズとかを、変体仮名(江戸仮名)で書きたい……! たとえば、
「面(ツラ)の憎ひほどかわいひナァ」
「アッ歯の跡がつくヨ」
「傷でも付けたら他人が惚れねへでよからふ」
とか、
「ぢれて迷ふて まよふてぢれて ぢれて煙管に歯の跡が 夜明の星のふたつみつよつ」
とかねー!(以上、為永春水『春告鳥』より。底本『新編日本古典文学全集80 洒落本・滑稽本・人情本』) でも、普通はみんな変体仮名なんて読めませんよね。だから、「何て書いてあるんですか?」って問われても、「たぶん和歌だと思いますわ」とか言ってごまかすの。でも、ちょっと素敵!って思うヒトに聞かれたら、こっそり上記のフレーズを耳うちして、その反応を見るの。なーんて、そんな小悪魔テク、私が実践できるわけないでしょ〜〜!(つーか古語で言われてもわかんないし、そんなのそもそも小悪魔テクのうちに入らないって……)




◆真珠子ちゃんのブログ 「真珠子にゅうす☆こねこ味
 真珠子ちゃんは、グウェン・ステファニーの公式サイトや、グエン姐さんのアルバム『Love.Angel.Music.Baby.』のブックレットイラストも手がけた、世界的なアーティストさん。彼女の突き抜けた世界観は、唯一無二です! ひょんなことからお友達になったのは、もう7年くらい前? トーキョーワンダーサイト渋谷で展示されたこの作品、欲しい!!
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巨大リボンと三つ編み作品。しゃがんでる可愛い女の子が、真珠子ちゃんです♪



 
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